ロナウジーニョのエラシコを見て、「自分もあんな風に相手を抜いてみたい」と思ったことはありませんか。アウトサイドで外に押し出したと思ったら、瞬時に内側へ切り返す動きは、見ている人を驚かせるだけでなく、実際に相手を抜き去る力を持った技術です。
エラシコは難しそうに見えますが、動きの仕組みを正しく理解して順番どおりに練習すれば、小学生でも習得できるフェイントです。複数のコーチ解説ページや練習サイトを調べてみると、「膝の使い方」と「タッチの順番」を押さえることが上達の近道だと一致して書かれていました。
この記事では、エラシコがどんな技なのかという基本から、足の動かし方・練習ステップ・試合での使い方まで順番に整理しています。ボールひとつあれば今日から始められる内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
エラシコとは何か|どんな技でどこから来たのか
複数のサッカー解説ページを確認すると、エラシコの定義・由来・考案者について共通した情報が記載されていました。用語の意味から整理していきます。
エラシコの動きの仕組み
エラシコとは、ドリブル中に片方の足だけで2回連続してボールに触れるフェイントです。1回目は足のアウトサイド(外側)でボールを外へ軽く押し出し、2回目は同じ足のインサイド(内側)でボールを逆方向に一気に切り返します。
1回目の動きで「外に行く」と相手に思わせ、2回目で逆を突いて抜き去るのが基本の流れです。2タッチが1つの連続した動作として見えるため、相手は方向の変化についていけなくなります。
注意したいのは、この2タッチをするあいだ軸足を動かしてはいけない点です。軸足はボールの近くに固定したまま、動かす足だけを素早く連続させます。
エラシコという名前の意味と由来
エラシコという名前は、ポルトガル語の「エラッスチコ(Elastico)」が語源で、「輪ゴム」や「弾力のある」という意味があります。アウトサイドで外に出たボールがインサイドで内側に戻る様子が、まるで輪ゴムのように見えることからこの名前がつきました。
英語圏では「フリップフラップ(Flip Flap)」と呼ばれることもあります。日本では「エラシコ」という名前が定着しています。
エラシコを考えたのは誰か
エラシコを考案したのは、サッカー解説者として知られるセルジオ越後さんだとされています。セルジオ越後さんが若い頃、ブラジル代表選手のガリンシャ選手のアウトサイドフェイントとペレ選手の内側への切り返しを組み合わせて遊んでいたところ、この技ができたと語っています。
その後、チームメイトだったロベルト・リベリーノ選手がこの技を習得して世界的に活躍。さらに2000年代初頭にロナウジーニョが試合のなかで多用したことで、サッカーをあまり知らない人にも広く知れ渡りました。
・1回目:アウトサイドで外に軽く押し出す
・2回目:同じ足のインサイドで逆方向へ切り返す
・軸足は動かさず固定したまま
・名前の意味はポルトガル語で「輪ゴム」
- エラシコは同じ足のアウトサイド→インサイドで2回触れるフェイントです。
- 名前はポルトガル語の「エラッスチコ」(輪ゴム)が由来です。
- 考案者はセルジオ越後さんで、ロナウジーニョが世界に広めました。
- 軸足はボールの近くに固定し、動かす足だけを連続して動かします。
エラシコの基本的なやり方|足の動かし方を順番に確認する
複数の練習解説サイトを比べて調べると、エラシコのやり方については手順が共通してまとめられていました。特に「膝をボールより前に出す」という点が、多くのページで最重要ポイントとして挙げられていました。
ステップ1|まずは止まった状態で2タッチの感覚をつかむ
最初はドリブルを入れずに、ボールを足元に置いた状態から練習します。軸足を固定して、動かす足のアウトサイドでボールをやさしく外に押し出します。次に、そのまま同じ足のインサイドでボールを内側に戻します。
このとき「大きく蹴ってしまうとボールが遠くに離れて2回目のタッチが間に合わなくなる」点に気をつけましょう。1回目のタッチはあくまで軽く押し出す感覚です。最初は1〜2メートルの範囲でゆっくり繰り返して、タッチの感覚をつかんでください。
ステップ2|膝の使い方が成功のカギ
エラシコを上手にやるための最重要ポイントが膝の使い方です。アウトサイドでボールを押し出す瞬間に、膝をボールよりも前に出すように意識します。
膝が後ろに残ったままだと足が戻りにくくなり、2回目のインサイドタッチが間に合いません。膝を先行させることで足がボールを追い越せるようになり、スムーズな切り返しにつながります。また、膝を曲げてボールの前に出す姿勢をとることで、体全体の動きが大きくなり、相手をだましやすくなります。
ステップ3|ボールのどこを触るかを意識する
アウトサイドで押し出すとき、ボールの中心よりやや下側を足の中指の付け根近くで触ります。触る位置が上すぎたり下すぎたりすると、次の動作にスムーズに移りにくくなります。
インサイドで切り返すときは、親指の内側(足の中側)でボールを引っかけるようにして逆方向へ送り出します。「押し出して→引っかける」という2つの感触の違いを体で覚えることが大切です。
ステップ4|動きながらできるように慣らす
止まった状態でスムーズにできるようになったら、次はゆっくり歩きながら試してみます。歩きながらでも安定してできるようになったら、少しスピードを上げて同じ動作を繰り返します。
コーンやマーカーを相手に見立てて置き、その前でエラシコを仕掛ける練習も効果があります。コーンに近づく→エラシコ→コーンを抜けてドリブル加速という一連の流れを反復すると、試合の場面に近い感覚が身につきます。
| 練習ステップ | やること | 意識するポイント |
|---|---|---|
| ステップ1 | 止まった状態で2タッチ | 1回目は軽く押し出す |
| ステップ2 | 膝を前に出す動き | 膝がボールより先に出る |
| ステップ3 | ボールの触る位置を確認 | 中指の付け根・やや下 |
| ステップ4 | 歩き→小走りで練習 | スピードを少しずつ上げる |
| ステップ5 | コーン相手に通し練習 | 抜けた後にドリブル加速 |
- 止まった状態から始めて、ゆっくりスピードを上げていくのが習得の近道です。
- 膝をボールより前に出すことで、スムーズな切り返しができます。
- アウトサイドは中指の付け根でボールのやや下側を軽く押し出します。
- コーンを使って「近づく→エラシコ→加速」の流れを反復しましょう。
エラシコをうまくするための3つのコツ
練習を重ねてもなかなか決まらないという場合は、以下の3つのポイントを確認してみてください。複数の解説サイトで共通して挙げられていたコツを整理しました。
コツ1|1回目のタッチを小さくする
エラシコがうまくいかない原因の一番多いパターンが、最初のアウトサイドタッチを強く蹴りすぎることです。強く蹴るとボールが足から離れすぎてしまい、同じ足で2回目を触りに行く時間がなくなります。
1回目は「相手の足1本分だけ外に動かす」くらいの感覚でじゅうぶんです。小さく押し出すことで2回目のタッチがしやすくなり、連続した動きとして見えるようになります。相手にフェイントとして効くかどうかは1回目の大きさではなく、2回目の速さと方向が決め手になります。
コツ2|体の重心も一緒に動かす
エラシコは足先だけで動かそうとすると相手にすぐバレてしまいます。1回目の押し出しのとき、肩や目線、腰も外側に少し向けると、相手が「外に行く」と信じやすくなります。
体全体で外に向かう動きを見せてから内側に切り返すことで、フェイントとしての効果が大きくなります。足の動きに体の重心変化を合わせることを、意識して練習してみてください。
コツ3|抜けた後すぐにドリブルを加速させる
エラシコで切り返した後、止まってしまうと相手に追いつかれてしまいます。インサイドで切り返したら、そのまま1〜2歩を素早く踏み出してドリブルのスピードを上げることが大切です。
エラシコの後はボールが足から少し離れた状態になりやすいので、次のタッチでボールをしっかり前に運んでスペースに出ることを意識しましょう。「エラシコ→加速」までをセットにして練習することで、試合でも使える形が完成します。
・1回目が大きすぎる → 「足1本分だけ外」を意識する
・足先だけ動かして体が動いていない → 肩・目線・腰も外側へ向ける
・切り返した後に止まってしまう → 「エラシコ→加速」をセットで練習する
- 1回目のタッチは小さく押し出すだけでじゅうぶんです。
- 足先だけでなく体全体で外に向かう動きを見せましょう。
- 切り返した後はすぐに加速して相手と距離を作ります。
- 「エラシコ→加速」までをセットにして練習するのがコツです。
試合でエラシコを使うタイミングと場面
複数のサッカーコーチ解説ページや実戦解説サイトを確認すると、エラシコが試合で効く場面についての共通した傾向がありました。試合でうまく使うために知っておきたい点を整理します。
エラシコが最も効く場面|サイドでの1対1
エラシコが効果を発揮しやすいのは、サイドで相手と1対1になったときです。サイドだと相手が来る方向がある程度決まっているため、どちらに切り返せばよいかを判断しやすくなります。
ロナウジーニョやネイマールも主にサイドでエラシコを使っていました。相手との距離が近い間合いで、かつ切り返した先にスペースがある状況が、エラシコが最もきれいに決まる場面です。後ろにスペースがなかったり、相手が複数いたりするときには別の選択肢を選んだほうがよいでしょう。
使いすぎに注意|相手に読まれやすくなる
エラシコは同じ試合で何度も使うと相手に読まれやすくなります。1回成功しても2回目・3回目は止められる可能性が高くなるため、ここぞというタイミングに絞って使う判断が大切です。
また、自陣(自分たちのゴールに近い場所)でエラシコを試みて失敗すると、そのままピンチになる可能性があります。特に小学生・中学生の試合では、リスクの少ない場面(相手ゴールに近いサイド)で試すのが安全です。
エラシコを生かすためのチームプレー
エラシコは個人でやりきる技ですが、周りの味方の位置も大切です。切り返した後に前方にスペースがあるかどうか、味方がどこにいるかを把握したうえで仕掛けると、クロスやシュートにつなげやすくなります。
「サイドでエラシコを決める→中にいる味方にクロスを入れる」という流れがイメージできると、試合の中でエラシコが生きる場面が具体的に見えてきます。
ミニQ&A
Q. エラシコは試合のどの場面で使うのがよいですか?
A. 相手サイドに近いサイドで、相手と1対1になって切り返した先にスペースがある場面が最適です。自陣での失敗はリスクが高いので、最初は攻撃的な場面に絞って試してみましょう。
Q. 試合でエラシコが通用しないとき、どうすればよいですか?
A. 相手に読まれているサインです。同じ技を繰り返さず、縦突破やシザーズなど別のフェイントと組み合わせると効果的です。エラシコのイメージを相手に植え付けるだけで、使わなくても相手が迷ってくれることもあります。
- エラシコはサイドで相手と1対1・切り返し先にスペースがある場面で最も効きます。
- 同じ試合で使いすぎると読まれてしまうので、ここぞという場面に絞りましょう。
- 自陣でのエラシコ失敗はピンチになりやすいので、攻撃的な場面で試すのが安全です。
- 味方の位置も確認してから仕掛けると、クロスやシュートにつなげやすくなります。
エラシコをもっとうまくするための練習アイデア
エラシコは反復練習が習得の基本ですが、練習のやり方を少し工夫するだけで上達が早くなります。複数の指導サイトを参照して、特に効果的だと共通して書かれていた練習方法を整理しました。
1人でできる反復練習|毎日5分から始める
エラシコは毎日少しずつ練習することが上達の近道です。ボール1つあれば公園や家の前でもできます。まず止まった状態でアウトサイド→インサイドの2タッチを10回ずつ右足・左足で繰り返してみましょう。
慣れてきたら歩きながら→小走りしながらとスピードを上げていきます。5分でも毎日続けることで、足がタッチの感覚を覚えていきます。うまくいかない日があっても続けることが大切です。
コーンや相手を使った実戦練習
止まった状態でできるようになったら、コーンを3〜4個並べてドリブルの途中でエラシコを仕掛ける練習に進みましょう。コーンに近づくスピード、エラシコのタイミング、切り返した後の加速をひとつの流れとして練習します。
次のステップは友達やチームメイトと1対1で練習することです。動いている相手がいることで「どのタイミングで仕掛けるか」「相手の重心がどちらにあるか」を感じる力が育ちます。失敗しても問題ありません。何度も試してタイミングをつかんでいきましょう。
動画で好きな選手の動きを観察する
ロナウジーニョやネイマールのエラシコの動画をスロー再生や一時停止で繰り返し見ることも練習の一部です。どのくらい膝を前に出しているか、1回目のタッチがどれくらい小さいかを目で確認することで、自分の動きとの違いが分かります。
動画を見る→練習する→また動画を見るというサイクルを繰り返すことで、体の動きのイメージがどんどん明確になっていきます。自分の動きをスマートフォンで撮影して比べてみるのも効果的です。
| 練習方法 | 場所・人数 | ねらい |
|---|---|---|
| 止まって2タッチ反復 | 1人・どこでも | タッチの感覚をつかむ |
| コーンを使ったドリブル練習 | 1人・広めのスペース | スピード・タイミングを鍛える |
| 1対1での実戦練習 | 2人以上・グラウンド | 相手の動きへの対応力を高める |
| 動画観察 | 1人・室内でも可 | 正しいフォームのイメージをつかむ |
- 毎日5分でもよいので、止まった状態でのタッチ練習を続けることが大切です。
- コーンを使い「近づく→エラシコ→加速」という流れをセットで練習しましょう。
- 1対1の練習で相手の動きへの反応力を育てることができます。
- 好きな選手の動画をスロー再生して、体の動かし方を確認するのも有効です。
まとめ
エラシコは、アウトサイドで外に押し出してからインサイドで切り返すという2タッチの連続フェイントで、「膝をボールより前に出す」「1回目のタッチは小さく」「切り返したら加速」の3点が上達のカギです。
まずは止まった状態でアウトサイド→インサイドの2タッチを10回繰り返すところから始めてみましょう。毎日5分の練習でも続けることで、足が動きを覚えていきます。
最初はうまくいかなくても大丈夫です。焦らず、一つひとつのステップを丁寧に積み重ねれば、試合で使えるエラシコは必ず身についていきます。あなたのエラシコが決まる日を楽しみにしています。

