テニスボールでのリフティング練習は、サッカーが上手くなりたい小学生や中学生に広く知られた自主練メニューのひとつです。ボールが小さい分、足の芯でとらえる精度が問われるため、サッカーボールでの練習とはひと味違う感覚を身につけられます。
ただ、「何回できれば合格なの」「うちの子にはまだ早い?」という疑問を持つ保護者の方も多いようです。この記事では、テニスボールリフティングの効果・始めどき・段階別の目標回数・練習のコツを、少年少女サッカー(小学1年生から中学3年生)の年代に合わせて整理しました。
今日からすぐ試せる内容をまとめていますので、自主練のヒントとして参考にしてみてください。
テニスボールリフティングの回数目標と始めどきを整理する
テニスボールリフティングを始める前に、まず「どの段階で導入するか」を確認しておくと、練習の効果が出やすくなります。回数の目安とあわせて整理します。
テニスボールリフティングとはどんな練習か
テニスボールリフティングとは、サッカーボールではなくテニスボールを使って、手を使わずにボールを連続して蹴り続ける練習です。テニスボールの直径はサッカーボールよりかなり小さく、足の当たる面積が限られるため、ボールの中心(芯)をしっかりとらえないとすぐにズレてしまいます。
このズレのなさを求める練習が、ボールタッチの精度を高める効果につながります。サッカーボールでは多少ズレても続けられる場面でも、テニスボールではすぐにコントロールが乱れるため、1回1回の蹴り方に意識が向きやすくなります。
難易度が高い分、取り組みはじめはなかなか続かないことも多いですが、少ない回数からでも十分に練習になります。「何回できたか」よりも「芯でとらえる感覚をつかもうとしているか」を意識する練習だと考えておくとよいでしょう。
始める前の目安:サッカーボールで何回できれば移行できるか
テニスボールリフティングは、サッカーボールでの基本がある程度身についてから取り組むと効果的です。サッカーボールでリフティングがまだほとんどできない段階でテニスボールに移行すると、感覚の基準がないまま難しい練習になり、かえって混乱しやすくなります。
目安として、サッカーボールでノーバウンドリフティングが連続10回以上できるようになったら、テニスボールに少しずつ挑戦しはじめてよい段階とされています。サッカーボールで50〜100回安定してできているなら、テニスボールでの練習にかなり向いている状態です。
小学校低学年(1〜3年生)の場合は、まずサッカーボールでのワンバウンドリフティングから練習をスタートし、ノーバウンドで10〜20回続けられるようになったらテニスボールを取り入れるという順序が無理のない進め方です。
段階別の目標回数の考え方
テニスボールリフティングの目標回数は、年齢や現在のサッカーボールでの実力によって異なります。はじめは5〜10回を目安にするとよいでしょう。この段階では「続ける」ことより「芯をとらえる感覚をつかむ」ことが目的です。
10回が安定してきたら、30回・50回と少しずつ目標を上げていきます。テニスボールで50回以上連続できるようになると、サッカーボールでのボールタッチが明らかに変わったと感じる子どもが多いとされています。
100回を目標にするのは、サッカーボールで500回以上できるくらいのレベルに近い難易度とも言われています。小学校高学年(4〜6年生)や中学生が継続的に取り組む目標として設定するのが現実的です。無理に高い回数を目指すより、毎日少しずつ続けることのほうが上達につながります。
・はじめたて:5〜10回を1セットとして繰り返す
・慣れてきたら:30回を安定してできることを目指す
・得意になってきたら:50〜100回を目標に設定する
※回数はあくまで目安です。「芯をとらえる感覚」を大切にしながら取り組みましょう。
テニスボールリフティングを取り組む際のポイントをまとめます。
- サッカーボールでノーバウンドリフティングが10回以上できてから移行するとスムーズです。
- 最初の目標は5〜10回。回数より「芯をとらえること」を優先します。
- 小学低学年はサッカーボールの基礎練習を先に積むほうが効率的です。
- 50回以上できるようになるとサッカーボールでのボールタッチが変化しやすくなります。
- 毎日10分でも継続することが、一番の上達につながります。
テニスボールリフティングで身につく3つの効果
テニスボールリフティングがサッカーの技術につながる理由は、大きく3つの効果で整理できます。練習を続ける動機にもなるので確認しておきましょう。
ボールミート力が上がる
ボールミートとは、足がボールの中心にしっかり当たることです。テニスボールはサッカーボールより直径が大幅に小さく、足の当たる位置が少しでもズレると、ボールがまっすぐ上に飛ばずにコントロールを乱します。この厳しさが、芯をとらえる精度を自然に磨く理由です。
テニスボールで芯をとらえる感覚がつかめてくると、サッカーボールに戻ったときに「ボールが大きく感じて当てやすい」という感覚を持ちやすくなります。パスやシュートのミート力も上がりやすく、特に力がまだ弱い小学生年代に向いている練習です。
注意点として、テニスボールばかりに集中しすぎるとサッカーボールとの感覚差に戸惑うことがあります。テニスボールとサッカーボールを両方使いながら練習するほうが、バランスよく技術を身につけられます。
ボディコントロール力が上がる
テニスボールリフティングでは、蹴り上げるたびにボールの軌道が少しずつズレます。そのたびに体を動かしてボールの落下地点に合わせる必要があるため、全身を細かくコントロールする力が養われます。
この「ボールに合わせて体を動かす」動作は、試合中のトラップやドリブルにも直結します。常にボールを体の正面で扱う意識がつくと、コントロールが安定しやすくなります。特にステップを細かく刻む習慣がつくため、足元の素早い動作に慣れる効果もあります。
小さいボールを追うことで、足だけでなく目線・体重移動・バランスが同時に鍛えられます。サッカーボールのリフティングと比べて体の使い方がより繊細になるため、連続してできる回数が少なくても十分な練習効果が出ます。
集中力が上がる
テニスボールは小さい分、常に目で追い続けなければすぐに落としてしまいます。1タッチごとに集中が求められるため、自然と集中力を使う練習になります。
試合の後半など体が疲れてきた場面では、集中力が落ちてボールの芯をとらえられなくなることがよくあります。テニスボールでの練習を続けることで「疲れていても集中してボールをとらえる」習慣がつきやすくなります。
ただし、集中力を使う練習なので1回の練習時間は短くてかまいません。10〜15分を目安に、毎日続けるほうが効果的です。長時間やりすぎて集中が切れた状態で続けても、感覚の習得にはつながりにくくなります。
| 効果 | 内容 | 試合への影響 |
|---|---|---|
| ボールミート力 | 芯をとらえる精度が上がる | パス・シュートの精度が上がる |
| ボディコントロール | 体を細かく動かす習慣がつく | トラップ・ドリブルが安定する |
| 集中力 | 小さいボールを追い続ける力がつく | 後半でもミスが減りやすい |
- テニスボールは芯をとらえないとすぐズレるため、ミート力が自然に鍛えられます。
- 毎タッチで体ごとボールに合わせるため、ボディコントロールの習慣がつきます。
- 短時間で高い集中力を使う練習なので、毎日10〜15分が適切な目安です。
- サッカーボールと組み合わせることで、より効果が出やすくなります。
テニスボールリフティングのやり方とコツ
テニスボールリフティングの基本的なやり方と、続けるためのコツを確認しておきましょう。最初は1〜2回から始めて問題ありません。
基本の姿勢とスタートのしかた
テニスボールリフティングをスタートするときは、利き手でボールを持ち、利き足の方向にボールを落として蹴り上げます。蹴るときは足の甲(インステップ)の広い面でボールをとらえることを意識します。
姿勢は、背筋を伸ばし、首を少し前に倒してボールをよく見る状態がよいとされています。上体全体が前かがみになると足が動かしにくくなるため、首から上だけが少し前傾している形を意識するとよいでしょう。ボールと体の距離を一定に保つことが、安定してリフティングを続けるコツのひとつです。
テニスボールのリフティングではボールをあまり高く蹴り上げると制御が難しくなります。はじめは低め(ひざ〜胸の高さ)を保って続けるとコントロールしやすくなります。慣れてきたら少しずつ高さを変えてみると、応用力もつきます。
足の使い方:3つのポイント
テニスボールリフティングで足を使うときに意識したいポイントは主に3つあります。まず「膝をしっかり伸ばす」こと。タッチの瞬間に膝が曲がっていると足が定まらず、ボールの芯をとらえにくくなります。
次に「つま先を上げすぎない」こと。つま先が上がった状態で蹴ると、ボールに変な回転がかかって真上に上がりません。つま先は地面と平行になるイメージで蹴るとボールが安定します。3つ目は「足首を固定しすぎない」こと。足首を硬くしてしまうとボールタッチが固くなりやすいため、自然な状態をキープしながら膝の動きだけを意識するとよいでしょう。
これら3点を一度に意識するのは難しいので、1回の練習ごとに1点ずつ確認する方法で取り組むのが無理なく続けやすい方法です。
体の動かし方:落下地点に合わせて小刻みに動く
テニスボールは蹴り上げるたびに軌道が少しズレます。そのズレに対して体を合わせるためには、ボールが空中に浮いているタイミングで小刻みにステップを踏みながら、ボールの落下地点の正面に体を持ってくることが大切です。
ボールが体から離れた位置に落ちてくるのを腕を伸ばしてとらえようとすると、体のバランスが崩れてコントロールが乱れやすくなります。「ボールのほうに体ごと寄る」意識で動くことが、回数を安定させるためのポイントです。
足を止めたままリフティングを続けようとすると、ほとんどの場合ボールがずれていくため早めに落としてしまいます。初心者のうちから「ボールに合わせて体を動かす」習慣をつけておくと、その後の上達が早くなります。
・利き足の甲(インステップ)でボールをとらえているか
・つま先が地面と平行になっているか(上げすぎていないか)
・膝がタッチの瞬間にしっかり伸びているか
・ボールが浮いている間に小刻みに体を動かせているか
・ボールをよく見るために首を少し前に倒しているか
- スタートは利き手で持ち、利き足側にボールを落として蹴り上げます。
- 高さは低め(ひざ〜胸)を保って、まず安定させることを優先します。
- 足首は固定しすぎず、膝を伸ばしてつま先を平行に保つ3点が基本のコツです。
- 体をボールの落下地点に小刻みに合わせる習慣が、回数を増やすカギになります。
回数を伸ばすための練習ステップと応用バリエーション
基本のやり方が身についたら、段階的に難易度を上げていきましょう。回数を伸ばす練習の順番と、慣れてきたときに試したい応用バリエーションを整理します。
STEP1〜3:回数別の段階練習
STEP1は「1回蹴ってキャッチ」から始めます。テニスボールを手で持ち、足の甲で1回蹴ってキャッチします。これを繰り返すだけで、芯をとらえる感覚が少しずつ身につきます。3回・5回・10回と少しずつ回数を増やしながらキャッチする形でも構いません。
STEP2は「落とさずに30回連続」を目標にします。STEP1でボールの感触がつかめてきたら、落とさずに何回続けられるかを意識します。10回・20回・30回と段階を決めて取り組むと、モチベーションを維持しやすくなります。
STEP3は「50回以上を安定させる」ステップです。30回が安定してきたら、50回・100回と目標を更新します。100回に達するには、1タッチごとの精度と体の動きが一定に保てる状態になっていることが必要です。焦らず少しずつ積み上げるほうが確実です。
利き足以外でも試してみる
利き足でのテニスボールリフティングが20〜30回安定してできるようになったら、逆足(非利き足)でも試してみるとよいでしょう。最初は1〜2回しかできなくて当然です。両足を交互に使うリフティングも、慣れてきたら意識してみましょう。
両足でバランスよく蹴れるようになると、試合の中でも逆足でのトラップやシュートに自信が持ちやすくなります。利き足と逆足の感覚の差を知ることが、逆足強化の最初のステップになります。
無理に両足練習を詰め込む必要はありません。利き足の練習7〜8割・逆足2〜3割のバランスで取り組むと、基礎を崩さずに両足の力を伸ばしやすくなります。
バリエーション:2人組やゲーム形式での応用
1人でコツコツ回数を重ねる以外にも、楽しくできるバリエーションがあります。50回以上できるようになったら取り入れてみましょう。
2人組での「テニスボールリフティングパス交換」は、お互いにテニスボールをリフティングして足でパスし合う練習です。相手のボールに合わせて体を動かす必要があるため、ボディコントロールがさらに磨かれます。複数人でしりとりをしながらリフティングを続ける方法も、集中力と楽しさを両立しやすい練習です。
つま先だけを使うリフティングに挑戦するのも、より細かいボールタッチを練習する方法のひとつです。これらのバリエーションは、回数が増えて単調に感じてきたときの気分転換にもなります。チームの練習前後の短い時間に取り入れやすいメニューです。
| ステップ | 内容 | 目安の回数 |
|---|---|---|
| STEP1 | 1回蹴ってキャッチを繰り返す | まずは10回キャッチを安定させる |
| STEP2 | 落とさずに連続してリフティング | 10回→20回→30回と段階的に増やす |
| STEP3 | 回数を伸ばしてバリエーションへ | 50回以上を目標に設定する |
| 応用 | 逆足・2人組・つま先などの発展練習 | 50回以上できてから取り入れる |
- STEP1では「1回蹴ってキャッチ」から始め、芯をとらえる感覚を作ります。
- STEP2では落とさずに30回を目標にして段階的に回数を増やします。
- 逆足練習は利き足が安定してきた段階(20〜30回)で取り入れるのが自然です。
- 2人組やしりとりリフティングは、集中力を保ちながら楽しく続けられる応用です。
テニスボールとサッカーボールを組み合わせた自主練の設計
テニスボールリフティングは単独で取り組む練習ではなく、サッカーボールの練習と組み合わせることで効果が出やすくなります。自主練全体の中での位置づけを整理します。
サッカーボールとテニスボールの使い分け
テニスボールリフティングだけを続けていると、サッカーボールに戻ったときにボールが「大きすぎる」と感じて蹴りにくくなることがあります。これは感覚のズレによるもので、テニスボールとサッカーボールを交互に使うことで防ぎやすくなります。
自主練での基本的な使い分けとして、サッカーボールでウォームアップとしてリフティングを行い、その後テニスボールで精度の練習をする流れがあります。練習の最後にまたサッカーボールでリフティングをして感覚を戻すと、ボールの切り替えがスムーズになります。
毎回の練習でテニスボールを使う必要はありません。週に2〜3回、サッカーボールの練習とセットで取り入れる程度でも十分な効果が期待できます。
室内での練習に使いやすい理由と注意点
テニスボールはサッカーボールより小さく軽いため、室内でも比較的使いやすい練習道具です。雨の日や練習がない日の自主練に取り入れる選手も多くいます。
ただし、室内でのテニスボールリフティングにはいくつか注意が必要です。フローリングや畳ではバウンドが強く、壁に当たると勢いがつくため、周囲に物がないスペースを確保してから練習しましょう。また、弾みすぎに注意しながら、低めの高さでコントロールする意識を持つと安全に練習できます。
集合住宅など音が気になる環境では、テニスボールのバウンドも響きやすい場合があります。リフティング中はノーバウンドで続けること、落としたときもすぐに拾う習慣をつけておくと、周囲への配慮もしやすくなります。
毎日の自主練に無理なく取り入れるコツ
テニスボールリフティングを習慣化するには、毎日短時間でも続けることがポイントです。1日にまとめて長時間練習するより、10〜15分を毎日積み重ねるほうが感覚の定着が早いとされています。
練習前のルーティンとして「テニスボールで10回×3セット」など、量を決めて取り組む方法が続けやすいです。回数が伸びないときも、落とすことを気にしすぎず「今日は芯の感覚を確認するだけ」と割り切って続けると、長期的に取り組みやすくなります。
子どもの場合、保護者が「今日何回できた?」と一言声をかけるだけでモチベーションが上がりやすいです。記録をノートやメモアプリに書き留めておくと、上達の過程が見えやすくなり、練習を続ける動機づけにもなります。
・月・水・金:サッカーボールでリフティング→テニスボール10〜30回→サッカーボールに戻す
・火・木:サッカーボールのみでリフティング・ドリブル練習
・週2〜3回のテニスボール練習でも、継続すれば感覚の変化を実感しやすくなります。
- テニスボールだけでなく、サッカーボールと交互に使うことで感覚のズレを防ぎます。
- 室内で使う場合は低めのリフティングを心がけ、周囲のスペースを確保します。
- 週2〜3回・1回10〜15分を目安に取り入れると、無理なく習慣化できます。
- 記録をつけることで、子どもが自分の上達を実感しやすくなります。
- 保護者からの一言の声かけが、継続するモチベーションを支えます。
まとめ
テニスボールリフティングは、小さいボールで芯をとらえる精度を高めることができる練習で、ボールミート力・ボディコントロール・集中力という3つの効果が期待できます。目標回数はサッカーボールでの実力に合わせて5〜10回から段階的に設定するのが、無理なく取り組める進め方です。
まず今日から試すなら、サッカーボールで10回リフティングが続くかどうかを確認してみましょう。それができていれば、テニスボールを1個用意して「1回蹴ってキャッチ」を10回繰り返すだけで最初の練習になります。特別な場所や道具は必要ありません。
回数が伸びなくて当然の難しい練習ですが、続けるほどに「サッカーボールが大きく感じる」瞬間がきます。焦らず、少しずつ積み上げていきましょう。

